今でこそ掃除の仕事をしていますが、長い間、私は専業主婦として暮らしていました。
毎日のようにパンを焼き、家の掃除をし、子どもたちの世話をする。
そんな毎日でした。
当時は目の前のことに精一杯で、特別なことをしているつもりはありませんでした。
朝ごはんを作って、送り出して、片付けて、掃除をする。
気がつけば、またごはんの時間がやってくる。
そんな繰り返しでした。
でも今振り返ると、パンを焼くことも、掃除をすることも、子育てをすることも、誰かのために心を配る時間だったように思います。
そして不思議なことに、その頃に身についたことが、今の仕事にもたくさん生かされています。
24歳の時、結婚して長女が生まれました。
当時、父は
「果優に主婦なんてできるのか?」
と言っていました。
家族から見ると、私は到底主婦ができるような性格には見えなかったようです。
そんな私が、待機児童であふれていた時代背景もあり、専業主婦になりました。
きんぴらごぼうひとつ満足に作れなかった私が、料理人だった元夫と娘のために毎日料理を作る。
今思えば、なかなかのプレッシャーでした。
そんな中で、娘の健康のために、母が焼いてくれていた天然酵母パンを見よう見まねで焼き始めました。
やがて児童館でママ友に教えるようになり、自宅でもパン教室を開くようになりました。
私がパン屋になるきっかけをくれたのは、長女でした。
そして私は、やると決めたらとことんやる性格です。
パン作りに夢中になるのと同じように、掃除も好きになりました。
家族が気持ちよく暮らせるように。
家族が笑顔で過ごせるように。
そんな思いで、毎日掃除をしていました。
2年前にパン屋を辞めて掃除の仕事を始めたのも、10年間の専業主婦としての経験があったからです。
娘たちがこの世に生まれてきてくれたからこそ、私はパン作りに出会い、そして掃除の仕事にも出会うことができました。
残りの人生をかけたいと思える仕事に、私は二度も出会うことができました。
それは決して当たり前のことではありません。
娘たちに心から感謝しています。
そんなことを思いながら、今日も仕事に向かいます。